突然の訃報
やけに連絡の多い日だった。
その中のスペインからの1通のEメール。
つたないローマ字の日本語で書かれたそのメールはスペインに居た頃、シェアメイトのような感じで同じ家で生活していた友達の突然の死を知らせるメールだった。
一瞬、冗談かと思い電話して確認してみるが本当だった。
事故だ・・・・・・・
彼は俺と同い年でスペインの学校に通っており学校前に再放送されている『ドラゴンボール』をよく一緒に見たものだ。
俺がスペインに居た頃は卒業試験の勉強や論文に追われていたが、ようやくそういう事が全部終わった所だった。
急に旅を切り上げて日本に帰る事になった時に今年中に金が貯まればインド辺りで再会しようと言っていた。
でも結局、今年中には旅行資金は貯めれそうにないから連絡しないとなーと思っていた矢先だった。
世話にもなったし借りもあった。
スペインを出る前の日の夜に一緒に飲みに行った。 一ヶ月ほど前の話だ。
その時に飲み代をおごってもらい次に会った時は俺がおごる約束をしていたのに、これでは貸し逃げだ。
「ありえねー!!」が口癖だったけど、あんたが一番ありえんよ。
せっかく勉強から開放されたって時に何やってんの?
レアルが優勝する直前に何やってんの?
今まで外国70ヶ国ぐらい行ってるらしいけど、そっちに行くのはまだ早いだろう・・・・・
ほとんどの場合、死は突然だ。
若かろうが夢があろうが死ぬ時は死ぬ。
そんで死ねばそこで全てが終わる。
あんたは何をやりたいって言ってたっけ?
もったいない所で行ってしまったな・・・・
また会う時の土産話しにあんたの見てない所を色々みておくよ。
そんじゃあ、それまで元気でね。